請求書カード払いとは、ビジネス上の取引で銀行振込が必要な請求書について、クレジットカード決済を可能にするサービスです。Visaが開始した「BPSP(Business Payments Solution Provider)のソリューションによって世の中に広まりつつあります。今回は、請求書カード払いのメリット、デメリット、ファクタリングとの違い、おすすめの会社を紹介します。
請求書カード払いのメリット
請求書カード払いには以下のようなメリットがあります。
- 支払いを先延ばしにして資金ショートを回避できる
- カード決済できない取引でもクレジットカードで支払える
- カード決済したことは取引先に知られることはない
支払いを先延ばしにして資金ショートを回避できる
請求書カード払いは、届いた請求書の支払いを先延ばしにできるため、一時的に資金繰りを改善できます。ただし、クレジットカードには締め日と支払日があるため、請求書カード払いサービスを使ったタイミングによっては、思っていたよりも資金繰りが楽にならない場合があります。
カード決済できない取引でもクレジットカードで支払える
BtoBの取引では、クレジットカードで代金を支払えることは珍しく、多くの場合は銀行振込や手形で決済されます。請求書カード払いサービスであれば、届いた請求書についてカード決済が可能になります。
カード決済したことは取引先に知られることはない
請求書カード払いを利用すると、あなたの会社の代わりに、請求書に記載された金額をあなたの名義で振り込んでくれます。そのため、請求書カード払いサービスを利用していることを、取引先に知られる心配はありません。
請求書カード払いのデメリット
請求書カード払いには以下のデメリットがあります。
- 利用限度額の枠を超えての支払いはできない
- 決済手数料分だけ利益が減少する
- 一時的に負債が増えて信用情報が悪化する
利用限度額の枠を超えての支払いはできない
請求書カード払いは、クレジットカードで決済するサービスのため、利用限度額が存在します。その限度額を超える支払いは不可能なため、常に利用可能額を把握しながら利用する必要があります。
決済手数料分だけ利益が減少する
請求書カード払いでは、利用するたびに手数料が発生します。その手数料は当然ながら費用のため、その分だけ利益が減ります。
一時的に負債が増えて信用情報が悪化する
請求書カード払いを利用すると、あなたの代わって請求書の代金を決済してくれます。たとえば、掛取引で仕入れたとすると、買掛金が負債として計上されます。請求書カード払いを使うと、その買掛金は減少しますが、同じだけ未払金(クレジットカード利用分が後で口座振替されるから)という負債が計上されるため、負債は減りません。翌月も経常的に発生する負債があれば、先延ばしにした分の負債と合わせて一時的に負債が増えてしまう可能性があります。
請求書カード払いとファクタリングの違い
請求書カード払いの用途は、ファクタリングと似ている部分があります。しかし、両者は全く別のものです。ファクタリングとは、入金期日が到来していない売掛金を早期に現金化する仕組みのことを言います。売掛金は資産のため、資産を売却して資金調達するアセットファイナンスの一種であり、信用情報に傷はつきません。ただし、売掛金の売却手数料が発生するため、請求書カード払いと同じく、利益が減少します。
信用情報への影響 | 手数料の発生(利益の減少) | 資金調達の種類 | |
---|---|---|---|
請求書カード払い | あり | あり | デットファイナンス(ある意味で) |
ファクタリング | なし | あり | アセットファイナンス |
ファクタリングに興味のある方は、以下の関連記事でおすすめの会社を紹介しています。
請求書カード払いおすすめ3選
請求書カード払いを提供している会社は数多くありますが、その中でもおすすめの3社を紹介します。いずれも支払延長期間が最大60日で、対応しているクレジットカードのブランドも3つ以上のため、利用しやすいと思います。
サービス 名称 | 支払い 延長期間 | 手数料 | 対応ブランド | 運営会社 |
---|---|---|---|---|
DGFT請求書カード払い | 60日間 | 3.0% | Visa Mastercard JCB Diners Club | 株式会社デジタルガレージ |
INVOY | 60日間 | 3.0% | Visa Mastercard JCB | FINUX株式会社 |
支払い.com | 60日間 | 4.0% | Visa Mastercard SAISON CARD | 株式会社UPSIDER |