クラウドファンディングとは~2つのタイプ、会計処理と税金を解説~

クラウドファンディングは、不特定多数からお金を集める資金調達の手法です。クラウドは英語で「Crowd:群衆」を意味しています。クラウドファンディングには、投資タイプと非投資タイプがあり、それぞれ特徴があります。今回は、クラウドファンディングについて解説します。

目次

クラウドファンティングのタイプ①:投資型

投資タイプは、リターンが「お金」のクラウドファンディングです。金融型とも呼ばれますが、呼称は細かく気にせずに内容を理解しましょう。投資タイプのクラウドファンディングは、さらに株式型、貸付型、ファンド型の3つに分類されます。

株式型のクラウドファンディング

株式型のクラウドファンディングは、会社の株式をリターンとして資金を募ります。株式投資型ともいいます。リターンが未公開株のため、投資家からするとハイリスクハイリターンの投資対象ではありますが、将来有望な企業を青田買いができるチャンスでもあります。

貸付型のクラウドファンディング

貸付型のクラウドファンディングは、クラウドファンディングのサービスを通じて、資金を借り入れる方法です。不特定多数の投資家から小口の資金を集めることで大きな金額の借り入れが可能になります。

ファンド型のクラウドファンディング

ファンド型のクラウドファンディングは、株式型と似ていますが、投資家はクラウドファンディン部のサービスを介して、匿名で投資します。リターンは、クラウドファンディングで資金調達した事業の収益の一部と、商品やサービスが特典として与えられます。

クラウドファンティングのタイプ②:非投資型

非投資タイプは、リターンが「お金ではないもの」のクラウドファンディングです。非投資タイプのクラウドファンディングは、寄付型と購入型に分かれます。

購入型のクラウドファンディング

購入型のクラウドファンディングの場合は、リターンが商品またはサービスになります。

寄付型のクラウドファンディング

寄付型のクラウドファンディングには、リターンは原則としてありません。

クラウドファンディングの会計処理

クラウドファンディングを実施して資金調達した際に、どのような会計処理が必要になるのか解説します。

株式型、ファンド型の会計処理

株式型、ファンド型のクラウドファンディングの会計処理は、増資したときと同様です。支援金が払い込まれたら、貸借対照表の純資産にある「資本金」が増加します。

貸付型の会計処理

貸付型のクラウドファンディングの場合は、銀行などからの融資と同じです。クラウドファンディングが実行されたら、貸借対照表の負債にある「借入金」に計上します。元本を返済したら借入金を減少させ、利息を支払ったら損益計算書の「支払利息」に計上します。

購入型の会計処理

購入型のクラウドファンディングは、商品の売買と同じ取引になるため会計処理もシンプルです。支援金は、まずは貸借対照表の負債にある「前受金」に計上します。そして、事業が成功して商品やサービスのリターンが実現すれば、前受金を「売上」に振り替えて、リターンの原価を「売上原価」に計上します。事業に失敗してリターンが不可能になった場合、支援金を返金するのであれば「前受金」を減少させ、返金が不要であれば「前受金」から損益計算書の「受贈益」に振り替えます。

寄付型の会計処理

寄付型のクラウドファンディングは、基本的にリターンが無いために「寄付金」として扱われるため、他のタイプと処理がやや異なります。

寄付型クラウドファンディングの税金

寄付型のクラウドファンディングについては、誰が寄付するのか、誰から寄付を受けるのかによって処理が異なり、かかる税金も変わります。

法人が寄付型で支援金を受け取った場合

法人が個人から支援金を受け取った場合、法人が法人から受け取った場合は、いずれも受贈益が計上され、最終的には法人税の対象になります。

個人が法人から寄付型で支援金を受け取った場合

この支援金は一時所得になるため、最終的に所得税の対象になります。

個人が個人から寄付型で支援金を受け取った場合

このケースは、支援金が贈与として扱われるため、贈与税の対象になります。

クラウドファンディングまとめ

今回は、クラウドファンディングを特徴別に分類して、それぞれの会計処理について簡単に解説しました。起業したてのスタートアップや、これから事業を成長させたい企業にとって、非常に有効な資金調達の手段です。それぞれの特徴を理解して、最適なタイプを選ぶようにしましょう。

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