経理とは何か~経営管理の仕事内容と役割について解説~

「何のお仕事をしているんですか?」と聞いたときに、「経理の仕事をしています。」と言われて、「そうなんですね。私なんか、数字が苦手だから、経理の仕事なんで無理ですよ。」という会話をしたことがある方、いるのではないでしょうか。このとき、「経理の仕事はこんなもの」という何かしらの印象をもって話をしていると思います。今回は、経理とは何なのかについて。

目次

経理の3つのポイント

  • 経理とは、経営管理の略称である。
  • 経営管理とは、組織の目標達成のために、経営資源(ヒト・モノ・カネ・情報)を有効活用することである。
  • 経理の役割は、最高経営層の意思決定を助けることである。

経理は、実は略称だった?

経理というのは、実際は略称です。元になっているのは、経営管理という言葉。経営を管理するとなると、経理という言葉のイメージよりも大きな範囲の仕事になりそうな気がしますね。経営管理という言葉の意味を知ると、経理とは何かを理解しやすくなりそうです。

経理は経営管理の略?

経営管理という言葉には、絶対的な定義はありません。経営管理という言葉をどう捉えるかによって、その組織内での経理の仕事が変わってくる、とも言えると思います。と言いつつ、経営管理とは何かをあえて説明すると、組織の目標達成のために、組織を円滑に動かすことと言えるでしょう。または、目標達成のために、経営資源(ヒト・モノ・カネ・情報)を有効活用すること、とも言えます。 具体的には、財務管理、販売管理、人事管理、労務管理、生産管理、情報管理といったことが経営管理に含まれます。

経理の仕事は、お金の管理だけではない

経理の仕事の内容イコール「お金を管理すること」と考えられがちな気がします。しかし、経営管理が、経営資源の有効活用だとするならば、経理の社員の仕事はお金の管理だけ、とは考えなくなるでしょう。

経理の役割は、最高経営層の意思決定を助けること

経営管理では、各部門の管理も重要ですが、最も大切なのは企業(組織)全体の管理です。そして、その役割を担うのが最高経営層になります。誰が最高経営層に当たるのかは、会社の規模によっても異なります。取締役会であったり、社長1人であったりと。いずれにしろ、経理の役割は、最高経営層が意思決定するにあたり、必要な情報を提供すること、と言えるでしょう。

では、経理の仕事とは何か

もちろん、人事管理や労務管理は、人事労務の部門が担当します。生産管理であれば、生産部門がその役を担います。では、経理の仕事は何かというと、各部門から上がってきた情報をまとめて(数値化して)、経営層に提供することではないでしょうか。経理の本来の役割は、経営企画のような仕事なのです。現実には、経理職という名目で求人されている場合には、経営管理の一部分だけを担う仕事になっている場合が多いようです。たとえば、請求書や伝票などの整理、会計ソフトへの入力、試算表の作成、給与計算、交通費などの経費精算などなど。もちろん重要な業務ですが、それだけが経理の役割ではないのです。

経理を再定義しましょう

経理とは、経営管理である。そう考えると、経理担当者の方は、仕事の幅や視野が広がるかもしれません。経営層の方は、経理の方に任せる仕事を変えることで、意思決定がスムーズになる可能性もあります。特に、経営企画の部門がない会社であれば、経理の仕事の再定義が、経営層を助けることになるのではないでしょうか。

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