ファクタリングの契約形骸には2種類あり、1つ目が2社間ファクタリング、2つ目が3社間ファクタリングです。2社間ファクタリングとは、ファクタリング利用者とファクタリング会社との間で契約を交わし、お金のやりとりも2者の間でのやりとりする仕組みのことです。今回は、2社会間ファクタリングの仕組み、メリット、デメリットについて解説します。
2社間ファクタリングの仕組み
2社間ファクタリングの仕組みを非常に簡単な図にすると、上のようになります。売掛先(取引先)も登場しますが、関与は全くしません。あなたがファクタリングを利用して資金調達することを知らないからです。ファクタリング利用者とファクタリング会社の間で契約を交わし、売買代金などのお金のやりとりも、二者間で完結されます。
2社間ファクタリングの仕組みは上の図のとおりですが、実際に2社間ファクタリングで資金調達をする場合の流れは以下のとおりです。順を追って説明します。あなたがファクタリング利用者だと想定して、あなたの目線で手順を紹介します。
- 請求書を発行し、売掛先へ送付する。
- ファクタリング会社へ売掛金の売却を申し込む
- ファクタリング会社から提示された見積書と契約内容を確認し、よく検討する。
- 合意できたらファクタリング会社と契約手続きをする。
- 契約手続きが終わると、あなたが指定した銀行口座に売買代金が振り込まれる。
- (売掛金の入金日が期日を過ぎる場合のみ)速やかにファクタリング会社へ連絡する。
- 売掛先から売掛金を回収したら、ファクタリング会社の口座へ送金する。
仕組みの部分で説明したとおり、売掛先はファクタリングの部分には全く関わりません。また、ファクタリングは融資ではないため、お金を借りて返済する、ということもありません。手順6で、売掛先からの入金が遅延した場合の手順を書きましたが、売掛金が回収不能で貸倒れになっても心配ありません。ファクタリングでは、買戻請求権や償還請求権を行使されないからです。もし、そういった内容が契約書に記載されていた場合、相手が闇金融業者などの悪徳業者の場合がありますので、契約を取り止めましょう。
2社間ファクタリングのメリット
2社間ファクタリングの長所について紹介します。
売掛先に知られずに済む
ファクタリングは、資金調達の手段として有用です。しかし、ファクタリングの利用を取引先に知られることは、場合によってはデメリットがあります。ファクタリングの認知度が低いことも原因の一つだとは思いますが、売掛先から「あの会社、資金繰りに困ってるのかな。取引しても大丈夫かな?」と、信用情報に対する懸念を抱かれてしまう可能性があるのです。その点、2社間ファクタリングであれば、得意先への通知が不要のため、その心配は少なくなります。
※理想を言うと、2社間ファクタリングなだけではなく「債権譲渡登記」が不要なファクタリング会社を選ぶと良いでしょう。登記されてしまうと、法務局で第三者が自由に閲覧できてしまうからです。
契約手続きが簡単
ファクタリングに限らないことですが、契約当事者の数が少ないほうが、契約手続きはスムーズに進みます。2社間ファクタリングであれば、契約に関わるのが自分とファクタリング会社だけのため円滑です。一方の3社間ファクタリングの場合には売掛先に連絡することが必須ですが、ただ通知すれば良いわけではありません。ファクタリングの利用について誤解のないように丁寧に説明しなければならず、自分では難しい場合もあります。ファクタリング会社から売掛先へ説明してもらうことも可能ですが、いずれにしても時間がかかってしまいがちです。
代金の支払いが3社間より早くなる
3社間で契約すると、売掛先に承諾をとったり、3社で契約手続きをしたりと時間がかかってしまいがちです。その分だけ、売掛金を譲渡した代金の入金スピードも遅くなる傾向があります。一方の2社間ファクタリングであれば、3社間よりも素早く現金化できるため、資金の調達を急いでいる方に向いています。
2社間ファクタリングのデメリット
2社間ファクタリングの短所についても紹介します。
3社間より手数料が高め
一般的には、3社間ファクタリングよりも2社間ファクタリングの方が、買取手数料が高めです。なぜなら、ファクタリング会社から見た場合に、2社間の方がリスクが高いからです。ファクタリング会社にとって最大のリスクは、買い取った売掛金が代金が支払われないこと。そのリスクには、売掛先の信用度のみならず、売掛金が二重譲渡されたり、ファクタリング利用者と取引先が共謀したりといったトラブルのリスクも含まれます。3社間であれば、二重譲渡や共謀の可能性が低くなるため、その分だけ手数料も下がるのです。
債権譲渡登記を設定してしまうと第三者に知られるリスクがある
債権譲渡登記とは、債権を譲渡した記録を法務局に残す仕組みのことです。登記内容は誰でも閲覧できるため、ファクタリングの利用について、取引先や銀行などの第三者に知られてしまう懸念があります。ファクタリング会社の中には、債権譲渡登記が不要な業者もありますので、登記なしで2社間ファクタリングを契約できるファクタリング会社から選びましょう。
2社間ファクタリングまとめ
今回は、2社間ファクタリングについて解説しました。以前であれば、手数料の安さで3社間ファクタリングを選ぶ方が多かったようですが、昨今は手数料が非常に安い2社間ファクタリングも登場してきています。そのため、売掛先への債権譲渡通知が不要な2社間ファクタリングの方が魅力的になってきていると言えるでしょう。以下の記事で、おすすめのファクタリング会社を紹介していますので、参考にしてみてください。