注文書ファクタリングとは、請求書なしで利用可能なファクタリングのことです。一般的なファクタリングであれば、買取対象になる売掛金は、納品後、つまりは請求書を発行した後の売掛金です。一方、注文書ファクタリングの場合は、仕事に着手する前、受注直後から売掛金を買い取ってくれます。注文書ファクタリングの方が、入金サイクルを大幅に短縮できるメリットがある一方、デメリットもあります。今回の記事では、注文書ファクタリングの長所と短所、オススメできる3つのファクタリングを紹介します。
注文書ファクタリング(注文書買取)3選
注文書ファクタリングでオススメの3社を紹介します。
注文書ファクタリング3社の比較表
まずは、注文書ファクタリング3社の比較表から見てみましょう。それぞれのサービスの詳細は、以降で解説します。
サービス名 | 最短入金 | 買取手数料 | 個人事業主 | 買取可能額 |
---|---|---|---|---|
ビートレーディング | 翌営業日 | 7.0%~ 18.0% | ◯ | 10万円~ 3億円 |
ベストペイ | 翌営業日 | 5.0%~ | ✕ | 100万円~ 3億円 |
ウィット | 2時間 | 5.0%~ | ◯ | 20万円~ 500万円 |
買取手数料の透明性と、買取対象になる債権の金額について見てみると、最も優良なのはマネーフォワードアーリーペイメントです。ただし、最短入金スピードについては他社に劣っています。また、マネーフォワードアーリーペイメントは提出書類が多いため、査定を申し込む前の準備がやや大変です。続いて、手数料と買取可能額のバランスが良いのば、ビートレーディングです。個人事業主の方であれば、選択肢はビートレーディングのみになります。ベストペイに関しては、小規模な資金調達には向かないものの、手数料の下限が5.0%のため、相見積もりの結果として買取金額が最大になる可能性があります。ウィットに関しては最短入金のスピードが最速ですが、買取可能額の幅が狭いため、比較的に小規模な資金調達に最適です。手数料の上限が明確になっていない点には注意しましょう。
つづいて、それぞれのサービスについて紹介します。
入金サイクルを最大6ヶ月も短縮できる「ビートレーディング」
手数料5.0%~、最大3億円まで買取の「ベストペイ」
注文書ファクタリング(注文書買取)のメリット
一般的なファクタリングの場合、売掛金を譲渡して資金調達できるようになるのは、納品して請求書を発行した後です。大型のプロジェクトなどの場合、受注してから納品までの期間が数ヶ月に及ぶ場合もあり、それまでの資金繰りに困ることがあるでしょう。注文書ファクタリングであれば、受注直後から売掛債権を売却して資金調達が可能なため、支払いサイトを劇的に短くでき、資金繰りが改善されます。注文書ファクタリングのサービスによっては、入金サイクルを半年も短縮できる可能性があるため、経営者の方にとっては非常に便利なサービスと言えるでしょう。
注文書ファクタリング(注文書買取)のデメリット
注文書ファクタリングにも短所があります。それも理解したうえで利用しましょう。
買取手数料が高めになる
ファクタリングの買取手数料は、ファクタリング会社から見た「リスク」で決まります。そのリスクとは、買い取った売掛金が回収不能になる危険性のことであり、売掛先の信用度などで測られます。注文書ファクタリングの場合、仕事に着手すらしておらず、仕事が完了して納品できない可能性もあります。つまり、通常の請求書ファクタリングに比べてリスクが高いことになり、その結果として、注文書ファクタリングの買取手数料は高くなります。それでも、注文書ファクタリングには入金サイクルを短縮できる大きなメリットがあるため「時間を買う」感覚で利用するのも良いでしょう。
比較できるファクタリングサービスが少ない
前述のとおり、注文書ファクタリングは、ファクタリング会社からするとリスクが高いサービスです。そのため、ほとんどのファクタリング会社では、注文書ファクタリングのサービスを提供していません。普通のファクタリングであれば、比較サイトなどで探せば数十社のサービスが見つかりますが、注文書ファクタリングは数社に限られているのが現状です。これから増えてくることも期待されますが、今の時点では比べるサービスが少なく、幅広い選択肢はありません。