給与ファクタリングとは
給与ファクタリングは、個人向けの融資です。給料日より前に現金を手にできるため、一見すると魅力的にも思えますが、その実態は借金でしかありません。給与の支給日より前にお金が振り込まれますが、手数料という名目で利息を徴収されてしまいます。そして、給料日がきたら業者に返済するのです。相手が悪質なヤミ金融だった場合には、法律に違反する高額な金利を取られてしまう可能性もあります。給与ファクタリングを利用する際には、よく注意しましょう。
給与ファクタリングはなぜ借金なのか
金融庁が給与ファクタリングを貸金業と見なしている主な理由は以下のとおりです。ずばり、給与ファクタリング業者が、労働者（給与ファクタリングの利用者）の代わりに給料を受け取ることが不可能だからです。労働基準法の決まりで、使用者（会社など）は、給与を労働者に直接支払わなければなりません。となると、給与ファクタリングを利用して労働者が賃金債権（将来に受け取る予定の給料）を給与ファクタリング業者に譲渡したところで、お金の流れは「使用者（会社など）」→「労働者（給与ファクタリングの利用者）」→「給与ファクタリングの業者」となります。
事業者向けのファクタリングも同じ？
お金の流れだけに注目すると、事業者向けのファクタリングでも同様の問題があるように感じるかもしれません。2社間ファクタリングの場合は、売掛先に債権譲渡の通知をせずに売上債権をファクタリング会社に譲渡します。すると、お金の流れは「売掛先」→「ファクタリングの利用者」→「ファクタリング会社」となるからです。しかし、事業者向けのファクタリング契約は売上債権の売買契約であり、労働基準法のような制限もないため安心してください。一般的なファクタリングとは、事業者向けのサービスです。売掛金などの売上債権を買い取って現金化してくれる、資金調達の助けになる有用なサービスなのです。
参考）ファクタリングの契約書で必ず確認すべきポイント～この項目は要注意～
給与ファクタリングは貸金業登録が必須
給与ファクタリングは、個人を対象にした消費者金融と同じようなものです。給与ファクタリングが融資である以上、サービスとして提供する業者は貸金業法で決められた貸金業登録が必須です。ここまで来ると、この先の話が見えてくると思いますが、貸金業で問題になるのと言えば…ヤミ金融業者です。
給与ファクタリングでも闇金が暗躍
ヤミ金融業者は、金融料の貸金業の免許をもっていません。そのため、給与ファクタリング業者がヤミ金融業者だった場合に、法外な利息（年率換算すると数百～千数百％）を徴収されたり、勤務先などで大声で恫喝されるなどの被害を受けてしまうケースがあります。もし、給与ファクタリングを利用してヤミ金融業者とトラブルになったら、最寄りの警察署や弁護士などに相談しましょう。
給与ファクタリング自体の問題点
貸金業登録を受けている業者だからといって、給与ファクタリングに問題がないわけではありません。給与ファクタリングは、当然ながら手数料を取られます。給与という生活基盤を支えるお金が目減りしてしまうのです。そして、給与ファクタリングという、何か借金とは違う何か新しい方法のようは響きのせいで、借金をしている感覚が得られにくい可能性もあります。気づかぬうちに、給与ファクタリングの利用が当たり前になってしまえば、生活が破断してしまいかねません。
事業者向けファクタリングでも注意
給与ファクタリングで闇金業者による被害が増えていますが、事業者向けのファクタリングも注意が必要です。繰り返しますが、事業者向けのファクタリングは融資ではありません。にも関わらず、ファクタリング業者を装って、融資の申し出をしてくる業者がいます。ファクタリングは、売上債権を売却して資金調達するスキームです。決して借金ではありませんので、うっかり違法な業者と契約しないよう、ファクタリング会社の口コミや契約内容などをよく確認するようにしましょう。
参考）ファクタリングの契約書で必ず確認すべきポイント～この項目は要注意～
