キャッシュフロー計算書とは~現金の流れを把握する財務諸表~

キャッシュフロー計算書とは、会社の一定の会計期間において、どれだけの資金が流入し、どれだけの資金が流出していったかという状況を示す財務諸表です。キャシュフロー計算書は「C/F」(Cash Flow)と略されることもあります。キャッシュフロー計算書を見れば、会社のキャッシュの増減やその原因を把握できます。

目次

キャッシュフロー計算書と他の決算書との違い

キャッシュフロー計算書は、貸借対照表(B/S)、損益計算書(P/L)と並ぶ財務三表の一つです。貸借対照表は、会社が資金をどこから調達して、どのように運用しているかを示しています。損益計算書は、収入と支出の差額から会社が1年でどれだけ儲けたかを表しています。一方、キャッシュフロー計算書は、貸借対照表や損益計算書からは直接には読み取れない「お金の流れ」を示す財務諸表です。

なぜ、キャッシュフロー計算書が必要なのか?

会社は、日常的に売掛金・買掛金での取引しているため、商品・サービスの提供とその売上回収には時間差が生じます。この入金のズレによって、黒字なのに資金不足の状態に陥ったり、黒字倒産を起こしたりしてしまう可能性があります。このようなリスクを事前に把握するために生まれたのが、キャッシュフロー計算書です。

キャッシュフロー計算書の作成義務

キャッシュフロー計算書は、2000年3月期より、株式を公開している上場会社等において作成・開示が義務付けられました。株式を公開していない会社は、キャッシュフロー計算書の作成義務はありません。

キャッシュフローの分類

キャッシュフロー計算書は、「営業キャッシュフロー」「投資キャッシュフロー」「財務キャッシュフロー」の3つに分類されます。

営業キャッシュフロー

営業キャッシュフローとは、営業活動によるお金の流れを示すもの。商品の販売やサービスの提供など、会社が営業活動から得たキャッシュの流れは、営業キャッシュフローの項目に記載されます。

投資キャッシュフロー

投資キャッシュフローとは、投資活動によるお金の流れを示すもの。設備投資や固定資産の取得・売却によるお金の増減は、投資キャッシュフローで表されます。

財務キャッシュフロー

財務キャッシュフローとは、財務活動によるお金の流れ・増減を示すもの。会社がどのように資金調達(借入)をして、どのように返済したかは、財務キャッシュフローで確認できます。

キャッシュフロー計算書の作成方法

キャッシュフロー計算書を作成する方法には「直接法」と「間接法」があります。多く用いられているのが間接法で、税引前当期純利益から、減価償却などの非資金損益を差し引きして、キャッシュフロー計算書を作成します。

キャッシュフロー計算書まとめ

  • キャッシュフロー計算書は、会社の一定の会計期間におけるキャッシュの増減を示す財務諸表である。
  • キャッシュフロー計算書は、資金の流れを正確に把握することで、黒字倒産を防ぐなどの役割がある。
  • キャッシュフロー計算書は、営業活動、投資活動、財務活動などに区分して表示される。
目次
閉じる